スタートアップで実践するマーケティングリサーチの全て

スタートアップで実践するマーケティングリサーチの全て

マーケティングリサーチの全て

本記事のテーマ

この記事は、マーケティングリサーチの全体像とスタートアップにおける初期のマーケティングリサーチについて記載したものです。
これから起業したいと考えている方や、初めてマーケティングリサーチをする方の参考になれば幸いです。

マーケティングリサーチとは

マーケティングリサーチとは

会社を経営する上でのマーケティング戦略の全体像でご紹介したように、マーケティングには大きな流れがあるのですが、マーケティングリサーチはマーケティング戦略を計画・実行するための基盤となります。
リサーチする内容は目的によって変わりますが、マーケティングリサーチとは、マーケティングの具体的なアクションを決めるために必要な情報を収集・分析することです。
そして、マーケティングリサーチは、リサーチ目的を決定して仮説を立案し、リサーチを実施した結果を基にデータ分析や仮説検証を行う流れとなります。以下、個別に解説します。

マーケティングリサーチの目的を明確にする

マーケティングの課題

会社を経営する上でのマーケティング戦略の全体像でもご紹介しましたが、事業戦略で大事なのがマーケティング戦略です。
そのため、マーケティングリサーチの背景には、会社が抱えている問題や課題があります。
目的を把握せずにリサーチすると、リサーチの方向が間違ってしまう可能性があるため、マーケティングリサーチをするにあたっては、まず会社が抱えている問題や課題が何なのかを明確にします。
会社が抱えている問題や課題を明確にするには、例えば事業環境分析(3C分析、SWOT分析等)があります。

マーケティングリサーチの対象

マーケティングの課題が明確になったところで、具体的に何をリサーチするかを決めます。
マーケティングリサーチの範囲を決めるためには、会社を経営する上でのマーケティング戦略の全体像でご紹介したようなフレームワーク(STP、4P等)を使うことも多いです。
例えば、市場の選定を行うことが目的であれば、STP(STP(セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning))を分析して理解が不足しているところを調査します。市場環境の理解が不足しているのか、ターゲット顧客の理解が不足しているのか、競合の製品やサービスの理解が不足しているのかを明らかにすることで、何を調査すれば良いのかが見えてきます。
また、製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、プロモーション戦略等のマーケティングミックスの検討を行うのが目的であれば、4Pを分析して必要な項目を調査します。

マーケティングリサーチで収集するデータの種類

マーケティングの各プロセスごとに必要な、主なデータの種類は以下のとおりです。

プロセス 必要な情報 関連する記事
市場機会の発見 消費者ニーズや不満、価値観、ライフスタイル、購買動機、購買・使用実態、顧客満足度、継続購買意向、企業イメージ、ブランド、市場規模・成長性、市場シェア、競合 準備中
セグメンテーション、ターゲティング 市場の特性、ユーザー・プロフィール 準備中
ポジショニング 企業イメージ、自社製品・競合製品のポジション 準備中
製品戦略 顧客ニーズ、機能(要件)、デザイン(UI/UX)、品質 スタートアップで実践するグロースハックの方法
スタートアップの開発において注意すべきこと
スタートアップを実践して学んだ仮説検証の方法
スタートアップの各ステージ(Seed〜SeriesC)において注意すべきこと
価格戦略 価格の妥当性、許容水準、競合の価格 会社経営する上での価格戦略(プライシング)の全体像
チャネル戦略 商圏、立地条件、各チャネルの状況、チャネルのニーズやフィードバック チャネル戦略とは?O2O、オムニチャネル、OMOの違いについて
プロモーション戦略 プロモーションのコンセプト、広告・キャンペーンの効果測定 会社経営する上でのプロモーション戦略(コミュニケーション戦略)の全体像

仮説の立案とデータ分析・仮説検証

仮説検証サイクル

何をリサーチするかが決まったら、仮説を立案して検証します。
スタートアップを実践して学んだ仮説検証の方法でご紹介したように、スタートアップでは仮説検証サイクルを回すことが重要なのですが、マーケティングリサーチにおいても同様のことが言えます。

マーケティングリサーチの方法

マーケティングリサーチには、大きく分けて定性調査と定量調査があります。
仮説の立案には定性調査が向いています。
定性調査には、例えばインタビュー(訪問、電話、セミナー等)を実施して、理解を深めたりニーズを探る方法があります。
また、仮説の検証には定量調査が向いています。定量調査には、例えばアンケート(Web、訪問、電話、FAX等)を実施したり、セミナーを開催して、全体の傾向を把握する方法があります。
マーケティングリサーチでは、調査対象の理解を深め、仮説を立案して、仮説を検証し、新たな仮説を立案するというサイクルを回すことが大事です。

なお、上記の他にも、調査会社や政府機関が公表している統計データを分析したり、Googleのキーワードプランナーで検索ワードのボリュームを調べたり、Yahoo知恵袋や教えて!gooなどの質問サイトで消費者のインサイトを探るといった方法もあります。

マーケティングリサーチにあたっての注意点

マーケティングリサーチにあたっては、以下の点に注意が必要です。

サンプルの設定

リサーチでは通常は一部の人に対する調査結果をサンプルとして、その人が属する母集団全体の傾向を推定します。対象となるサンプルを取り出すことをサンプリング(標本抽出)と言います。
そのため、まずは対象者の条件を明確にして、必要なサンプル数を決めて、抽出方法を考えます。
また、サンプル数を増やせば正確性が高まりますが、その分コストが増加するため、リサーチの正確さとコスト
のトレードオフに注意する必要があります。
一般的に、「標本誤差の早見表」があり、検索すれば出てくるので、リサーチの正確さを測るために是非ご参考にして下さい。

質問の設計

リサーチにあたって対象者に質問する場合は、質問の内容や方法がリサーチ精度に大きな影響を与えます。
リサーチでは、聞いたこと以上の回答は得られないので、仮説検証を行うのに必要な情報が入手できるかを十分に
検討してから質問を行う必要があります。
また、質問形式、質問の量、質問の表現、謝礼の有無によって、回答者の協力度合いや回収率が大きく変わってくるので注意が必要です。

マーケティングリサーチのデータ分析手法

マーケティングリサーチによってデータを収集したら、データを分析して結果を検証します。
データ分析の手法で主なものは以下のとおりです。

種類 詳細
項目間の比較
  • 会社間(競合やベンチマーク企業)、製品、ブランド
  • 属性(性別、年齢、居住地等)
  • 使用頻度(多/中/少、使用/未使用)
  • 総合指標(使用満足度、ロイヤリティ、推奨意向)
  • 消費者の購買プロセス
時系列の比較
  • 昨年/前年同四半期、前四半期/前月
  • キャンペーンの事前と事後
  • 年次・月次・日次の推移
  • 蓄積された過去の結果
全体と部分の比較
  • シェア
  • 構成比/構成要素
関係性の分析
  • 相関関係や因果関係はあるのか、それとも単なる偶然か
分布
  • 散布度(分散、標準偏差、範囲)・・・データの散らばりを表す
  • 代表値(平均、中央値、最頻値)・・・データの中心を表す

まとめ

以上、今回は、マーケティングリサーチの全体像とスタートアップにおける初期のマーケティングリサーチについて解説しました。
これから起業したいと考えている方や、初めてマーケティングリサーチをする方の参考になれば幸いです。