スタートアップの開発において注意すべきこと

スタートアップの開発において注意すべきこと

スタートアップの開発において注意すべきこと

本記事のテーマ

この記事は、スタートアップの開発において注意すべき点をまとめたものです。
これから起業を考えている方やスタートアップを目指す方の参考になれば幸いです。

スタートアップの開発について

スタートアップの開発は何故失敗するのか

スタートアップとは、一言で言うとIPO(新規株式公開)を目指している会社のことで、これまでに無い新しい事業を展開し急成長することが求められます。
スタートアップは比較的新しい事業にチャレンジするため、そもそも事業自体が本当にニーズがあるのか、本当に市場に受け入れられるのかといった不確実性があります。また、事業展開している途中で、事業の方向性も大きく軌道修正することが往々にしてあります。
そもそも、システム開発自体が不確実性が高いプロセスであるのに、さらに事業までが不確実性が高いのです。
さらには、スタートアップにはリソースがありません。極めて限られたリソースで、極めて高い不確実性と戦いながらシステム開発を進めていかなければなりません。
そのため、一般的に紹介されているリーンスタートアップやアジャイル、スクラム開発等の開発手法を取り入れたとしても、そもそも事業の方向性が変わってしまったり、リソースが圧倒的に足りなかったりして、失敗してしまうことが多いです。
さらに、経営者自身が開発に対して知見が豊富であれば良いのですが、そうでない場合は事業サイドと開発サイドの認識齟齬が原因で開発が上手く進行しないこともあるでしょう。

なお、起業にあたっての失敗談を記載した記事がありますので、こちらも是非ご参考にして下さい。
スタートアップで起業に失敗する原因と体験談

また、起業からWebサービスをリリースするまでの、システム開発の失敗体験という観点から関連する記事があるので、是非ご参考にして下さい。
スタートアップでシステム開発に失敗する原因と体験談

スタートアップの開発で注意すべき点は?

それでは、スタートアップの開発において、注意すべき点はどのような点なのでしょうか?
前述したように、スタートアップは、事業を軌道に乗せて急成長するために、ビジネスアイデアがそもそもニーズがあるのか、開発しようとしているプロダクトがニーズに対応するものなのか、プロダクトは市場に受け入れられるか等の仮説を立てて検証を行い、検証の結果を踏まえて随時方向転換することが必要です。
しかし、スタートアップには、大手企業のように費用と時間をかけて新しい事業に取り組む余裕はありません。
そのため、時間をかけて開発したプロダクトがユーザーのニーズに対応するプロダクトではなかったり、市場に受け入れられなかったりした場合には、会社自体の存続が難しくなるほどの失敗になりかねません。

つまり、スタートアップの開発では、できるだけ費用や時間をかけずに必要最小限の機能を兼ね備えたシステムを開発し、ユーザーに使ってもらったり、市場に受け入れられるかを検証する必要があります。

スタートアップの開発でやってはいけないこと

スタートアップの開発において、最もやってはいけないことは、まずシステムを作り始めることです。
システム開発はどうしても時間がかかりますし、事業の方向性が定まっていない状況でシステムを作り始めると、開発の途中で要件が変わってしまったり、いつまでもリリースできない状態になり、必ず失敗します。
また、要件の不確実性が高い状況下での開発は、技術的負債も発生しやすいです。

よって、システムを開発してユーザーに体験してもらわないとこれ以上の検証はできないという壁に当たるまでは、開発に着手せずに他の方法で不確実性をできるだけ減らしていくべきです。

なお、不確実性を減らしていくための方法として、仮説検証の方法について記載した記事がありますので、是非ご参考にして下さい。
スタートアップを実践して学んだ仮説検証の方法

また、スタートアップの流れについて記載した以下の記事も、是非ご参考にして下さい。
スタートアップの各ステージ(Seed〜SeriesC)において注意すべきこと

スタートアップにおける開発とMVP

スタートアップの開発におけるMVPを理解する

MVPとはMinimum Viable Productの略で、顧客に価値を提供できる最小限の製品という意味です。
MVPの意味については他の記事(スタートアップを実践して学んだ仮説検証の方法)に記載しているので、ここでは詳細は割愛しますが、前述したように「確かにユーザーの課題があって、それを解決することで事業が急成長できるということが、システムを開発してユーザーに体験してもらわないとこれ以上の検証はできない」状態になって初めて、開発すべき最小限の製品の形が見えてきます。
そうなった時に、MVPを特定して、最小コストでMVPの開発に着手します。

スタートアップでMVPを開発する

このタイミングになって、初めて開発に着手するのです。
開発の具体的な手法は、アジャイルやスクラムといった手法がおすすめです。
アジャイルやスクラムといった開発手法は有名なので少なくとも聞いたことはあるかもしれませんが、また別の記事でもご紹介したいと思います。

ここで伝えたかったことは、アジャイルやスクラム開発という言葉が一人歩きしている状況がよく見受けられるのですが(筆者もその1人だったのですが)、そもそもMVPを特定できていないのに、アジャイルやスクラム開発という手法を取り入れても、本来のメリットは享受できないということです。
確かに、どのような手法で開発するかということも重要ですが、そもそも何を開発するか(MVPの特定が)できていないことが、開発が失敗する原因であるケースが多いと思っています。

まとめ

今回は、スタートアップの開発においては、開発に着手するまでのMVPの特定が重要で、特に注意すべき点として紹介しました。
これから起業を考えている方やスタートアップを目指す方の参考になれば幸いです。
また、開発に着手してからや開発手法については、別の記事で紹介したいと思います。